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自転車のヘルメット着用の努力義務化が施行された背景と罰則|ヘルメット選びのポイント2024.03.29


2023年41日に改正道路交通法が施行され、すべての自転車利用者に対してヘルメットの着用が努力義務となりました。

自転車乗車時にヘルメットを着けないといけなくなったことは知っているが、着けなかったときの罰則の有無、規制施行後のヘルメット着用率まで知っている方はそれほど多くないはずです。

そこでこの記事では、多くの方が気になっていると思われるヘルメットを着けなかったときの罰則や現状の着用率、ヘルメットを着用義務にした背景などについてご紹介します。


自転車に乗るときにヘルメットを着用しなかったときの罰則は?



最初に、自転車乗車時のヘルメット着用義務化について記載されている改正道路交通法第63条の11について紹介します。


改正道路交通法の内容は?

(自転車の運転者等の遵守事項)

第六十三条の十一 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

2 自転車の運転手は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

3 児童又は用事を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

引用:「道路交通法|E-GOV法令検索」

これを見ると、二人乗りをした場合、漕いでいる人が同乗者にもヘルメットを着けるように努めなければならないと記載されています。

「~努めなければならない」という表現が使われていますが、これは「努力義務」という

意味です。

自転車乗車時にヘルメットを着けなくても罰則はない!

基本的に努力義務規定を守らなかったとしても罰則はありません。努力義務規定は、あくまでもそれを守るかどうかは個々人の判断に委ねられており、強制力や拘束力はないのです。そのため、現在はヘルメットを着けずに自転車に乗っているところを警察官に見られたとしても、お願いされることはあり得ますが、注意されることはないはずです。

近い将来ヘルメットの着用が義務化される可能性は?

努力義務規定から義務化され罰則が導入された事例はいくつかあります。バイクのヘルメット着用の義務化もその中のひとつです。
今では当たり前のようにバイクを運転するときにはヘルメットを着けていますが、昔はヘルメットを着けなくてもよかったのです。それが努力義務になり、しばらくのちに義務化され罰則規定が導入されました。
免許制度がない自転車でバイクと同じことができるかはわかりませんが、自転車乗車時のヘルメットの着用にも罰則規定が導入される可能性はあり得るでしょう。


ヘルメット着用の有無で交通事故にあったときの扱いが変わる?

現在、自転車乗車時にヘルメットを着用しなくても罰則はありません。しかし、ヘルメットを着けているかどうかで、交通事故に合ったときの扱いが変わる可能性があります。

自転車乗車時に車に追突されてケガを負った方がふたりいて、片方の方はヘルメットを着けていたが、もうひとりの方はヘルメットを着けていなかったとします。もちろん、車の運転手は自転車に乗っていた方よりも責任が問われるため、ふたりとも賠償金が支払われるでしょう。

しかし、ふたりが同じケガをしたとしても、ヘルメットを着けていた方は着けていなかった方よりも、多くの賠償金が貰える可能性があります。なぜなら、努力義務としてヘルメットの着用が規定されていて、それを守っていたのにケガをした方と、無視して着けなかった方は同等に扱われない可能性があるからです。

 

 

自転車のヘルメット着用の努力義務化が施行された背景

それではなぜ今になって自転車のヘルメット着用の努力義務化が施行されたのでしょうか?

 



引用:「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~|警視庁ホームページ

これは、警察庁が公表した自転車関連事故件数の推移と全交通事故に占める割合のグラフです。

これからわかることは、平成24年から自転車関連の事故件数は減少傾向にありましたが、令和2年から微増していることです。また、全交通事故に占める自転車関連事故件数の割合は平成28年以降増加傾向にあることもわかります。



引用:「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~|警視庁ホームページ

上記は、警察庁が公表した平成30~令和4年の自転車乗車中死者の人身損傷主部位別のグラフです。自転車乗車中の事故で亡くなった方の半数以上が、頭部の損傷が原因でなくなったことがわかります。

引用:「自転車は車のなかま~自転車はルールを守って安全運転~|警視庁ホームページ

上のグラフは、自転車乗車中のヘルメット着用状況別の致死率を比較したものです。

これをみると、ヘルメットを着用していない場合は、着用している場合に比べると約2.1倍も死亡した人の割合が多くなっています。

ご紹介したグラフからわかることを以下にまとめました。

・自転車関連事故が全交通事故に占める割合は年々増加している

・自転車乗車中の交通事故で亡くなった人の半数以上は頭部損傷が原因

・ヘルメットを着けていないと交通事故にあったとき、約2.1倍も亡くなる可能

ヘルメットを着けたからといって、自転車関連の交通事故の割合は減るかわかりませんが、事故に巻き込まれたときに亡くなる可能性を下げられることは明らかです。このような背景から、自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化に踏み切りました。

自転車乗車時にヘルメットを着けることは「面倒くさい」「せっかく髪の毛をセットしたのに乱れる」「かっこ悪い」などと思っている方が多いのは事実です。しかし、自転車乗車時にヘルメットを着けることは、自らの命を守ることにつながるということを覚えておいてください。

 

 

自転車のヘルメット着用義務化が施行されてからの着用率

ここでは自転車乗車時のヘルメット着用の努力義務化以降、ヘルメットを着けている人はどのぐらいいるのかを紹介します。

自転車乗車用ヘルメットの着用率を都道府県別に調べた結果が公表されています。

ヘルメットの着用率の全国平均は、13.5%、最も着用率が高い愛媛県でも59.9%に留まっています。最も着用率が低かった県は新潟県で2.4%です。

この調査結果から、自転車乗車時のヘルメットの着用努力義務化以降も、ヘルメットの着用率はそれほど上がっていないことがわかります。

現状では、それほど自転車乗車時にヘルメットを着用している方は多くありません。しかし、ヘルメット着用率が徐々にあがってくれば、バイクのときと同じように自転車乗車時にはヘルメットを着用するのが当たり前の時代がくるかもしれません。

 

 

自転車用ヘルメットを選ぶための4つのポイント

ここでは自転車用のヘルメットを選ぶ際の4つのポイントは以下の通りです。

・サイズ

・機能性(通気性・重さ・デザイン性)

・安全性

それではそれぞれのポイントについて詳しく紹介します。

サイズ

ヘルメット選びで最も大切なポイントはサイズです。ヘルメットは頭部を守るために着けるのですから、サイズが合わずにちょっとしたはずみでずれたり、脱げてしまったりしては意味がありません。また、小さいと圧迫感や痛みなどから体調が悪くなってしまう可能性があります。

頭部周囲の長さがわかっていたとしても、商品によって形が異なるので、店舗で実際に着用して確認して購入するようにしましょう。

機能性・通気性・重さ・デザイン性など

自転車で通勤・通学している方は、毎日ヘルメットを着けるので、機能性やデザイン性はヘルメットを選び際の重要なポイントです。

また、ヘルメットに求める機能は、自転車に乗る時間帯や季節などによって変わってくるので、現在だけではなくさまざまなシーンを想像してヘルメットを選ぶようにしましょう。

ヘルメットを着けているときの快適さを重視する方なら、通気性やあごひもの素材なども大切なポイントになります。通気性がよいヘルメットは蒸れを防止し、快適にヘルメットを着けることが可能となります。あごひもが固い素材でできていると、あごひもが当たる部分に痛みや不快感が強いでしょう。

長時間、自転車に乗ることが多い方は、できるだけ軽い商品を選ぶことをおすすめします。短時間なら問題ない重さだと感じても、長時間ヘルメットを着けていると想像以上に首や肩への負担は大きいです。そのため、軽量タイプのヘルメットを選びましょう。

日中よりも夜間に自転車に乗る機会が多い方は、視認性の高いオレンジや黄色などのヘルメットを選ぶことをおすすめします。視認性の高さは、車を運転している人から見つけてもらいやすくなるため、安全性が高くなります。また、反射材や蛍光塗料などを使ったヘルメットも夜間乗る方にはおすすめです。

安全性

安全性を重視するなら「SGマーク」がついている商品がおすすめです。SGマークは、一般財団法人製品安全協会から、ある一定以上の安全基準を満たしていると認証された商品につけられたマークです。

そのため、SGマークがついているヘルメットは、ついていないヘルメットに比べると、衝撃に強く安全性が高いといえます。

 

価格

ヘルメットの種類が多すぎて選ぶことが難しい場合は、価格で目安をつけてしまうことをおすすめします。例えば、ヘルメットの購入予算を5000円~6000円前後と決めていたら、購入する商品が限定されるため、選びやすくなります。

 

まとめ

自転車乗車時は、ヘルメットの着用が努力義務化されました。しかし、罰則規定がないこともあり、ヘルメットの着用率はそれほどあがっていません。

命を守ることにつながるので、現在ヘルメットを着けないで自転車に乗っている方も、ヘルメットを着けて乗るようにしてはいかがでしょうか。

ヘルメットの購入をご検討している方は、お気軽にお声がけください。お客様のご希望をお聞きして、最適と思われるヘルメットをご用意させていただきます。